12月4日に、文部科学省と気象庁より「日本の気候変動2020 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—」が同時公表されています。この報告書では、「年平均気温は、様々な時間スケールの変動を伴いながら、1898年から2019年の間に100年当たり1.24℃の割合で上昇している。」、「1910年から2019年の間に、日最高気温が30℃以上の日(真夏日)、35℃以上の日(猛暑日)及び日最低気温が25℃以上(熱帯夜)の日数は、いずれも増加している。」などの観測事実を提供しており、気候変動が既に進行していることを定量的に把握できます。
また、平成29年3月発表の地球温暖化予測情報第9巻に掲載された「猛暑日となるような極端に暑い日の年間日数は、全国的に有意に増加」などの予測情報を更新し、RCP8.5シナリオに加えて、RCP2.6シナリオに基づく将来気候の予測を加えた最新のデータが公表されています。
詳しくはこちら→ 「日本の気候変動2020」
報告書は、「概要版」、「本編」、「詳細版」から構成され、一般国民、行政関係者、専門家などどなたでも利用できるよう工夫がされています。
ところで、大阪では、平成30年台風第21号による記録的な高潮を経験しましたが、この報告書の中では、日本沿岸の年平均海面水位は将来、RCP8.5シナリオでは0.71m、RCP2.6シナリオでは0.39m上昇すると推定され、また、複数の将来予測の結果、多くのケースで将来の台風が強くなり、東京湾、大阪湾、伊勢湾の高潮(潮位偏差)が増大するとの事例研究が紹介されています。