気候変動の影響
- 短時間強雨や渇水、強い台風の増加等による、鉄道や水道等のインフラ・ライフラインへの影響
- 都市部のヒートアイランド現象と気候変動に伴う気温上昇とが重なることによる、熱中症リスクの増大や快適性の損失
- さくら、かえで、せみ等の生物季節の変化
これまでの調査の報告と将来予測
インフラ・ライフライン
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- 温暖化による大雨や強大な台風、渇水などは、私たちの生活を脅かします。日本各地において、電気・ガス・水道が寸断され、交通網が遮断されることによって孤立集落が発生しています。
生活における暑さへの対策
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- 大阪府域では、気候変動の影響に加えて、都市部のヒートアイランド現象の影響により、気温の上昇幅が日本平均より大きくなっています。温室効果ガスにより今後も気温は上昇するため、これからも、私たちは暑さへの対策を続けていく必要があります。
季節感や文化
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- 大阪の桜の開花日はこの10年で1.3日早まっています。また、気候変動の影響によって、将来は満開にならない可能性も指摘されています。このような現象は、私たちの生活の中で季節感の喪失をもたらします。
サクラの開花日は早まっている(グラフの提供:大阪管区気象台)
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- イチョウ、セミなどでも、生物季節の変化が報告されています。
気候変動への適応策
■事業者や地方自治体等の取組
インフラ・ライフライン
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- エネルギー事業者の取組み
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災害により電気やガスの供給が停止すると、日常生活や経済活動に大きな影響を及ぼします。
ここでは、停電・ガス供給停止状況の確認方法や災害への備え、エネルギー事業者の防災対策についてご紹介します。
平時より災害時に取るべき行動について、確認しておきましょう。また、災害時には、エネルギー事業者のホームページ、アプリやSNSから情報を得るなど、冷静に行動しましょう。
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- 鉄道事業者の取組み
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最近では、大型の台風などにより激しい風雨が予測される際には、列車の運転を見合わせる情報を事前に提供し、実際に運転を休止する計画運休が実施されることがあります。
ここでは、列車の運休・運転再開状況の確認方法や鉄道事業者の防災対策についてご紹介します。
大型の台風などによる激しい風雨が予測される際は、鉄道会社のホームページ、アプリやSNSから計画運休や列車の運転見合わせなどの情報を得て、今後の行動に役立ててください。
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- 地下路線を持つ鉄道事業者や地下街の運営会社などは、大雨の際に水が浸入しないように止水板や防水扉の整備を進め、訓練の実施なども行っています。
- 土砂災害などが起こる地域では、自然生態系を活用した「グリーンインフラ」の整備を進めているところがあります。
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生活における暑さへの対策
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- 大阪府では、外出している府民に涼を提供する「クールオアシス」の設置に取り組んでいます。毎年、「おおさかクールオアシスプロジェクト」を実施し、猛暑の際における外出先の一時避難所として、暑さをしのげる涼しい空間(クールオアシス)を、府民等に対してご提供いただく協力施設・店舗を募っています。
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おおさかクールオアシスプロジェクトへの協力施設・店舗の募集について
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- 大阪府では、森林環境税を活用し、災害並みの猛暑から府民の健康被害を軽減するための取り組みを進めています。屋外で待たざるを得ないバス停等がある駅前広場などで、事業者等が都市緑化を活用した猛暑対策を実施できるよう、支援事業を行っています。
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- 大阪府内の自治体では「クールスポット」の整備をすすめているところがあります。
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- 市街地や観光地では、公共空間にミスト噴霧装置の設置などに取り組み、日々の利用者や観光客に熱中症予防を呼びかけています。
- 学校教育活動等における熱中症対策のために、文部科学省は夏季の休業日の延長や臨時休業日の設定、それに伴う冬季、学年末及び学年始休業日の短縮等を検討するよう、教育関係機関に依頼しています。学校では運動会の開催時期などが変更されています。
- ペット保険の事業者では、熱中症による保険金支払いを抑制するため、犬や猫の熱中症リスクをお知らせするシステムを運用しています。
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季節感や文化
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- 桜は、気温の積算から開花日が予測できるため、花見の開催や観光地の事業者の活動などは、毎年、予測情報をもとに検討されています。大阪市にある造幣局では、毎年、開花日の予測情報から「桜の通り抜け」の開催日を決定しています。
- 気象台は、生物季節観測を実施してきましたが、一部の生物種を除き2020年でほとんどの観測を終了したため、2021年からは、国立環境研究所が「NIES生物季節モニタリング」としてそれらの生物季節観測を引継ぎ、全国の観測データの収集を開始しました。調査には地域気候変動適応センターや民間企業、個人などが参加しています。環農水研生物多様性センターは「NIES生物季節モニタリング」に参加し、所内の敷地に観測用の標準木を植栽して2022年から観測を開始しました。2023年時点では12種の植物の開花や発芽を調査しています。
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